日本型IDMビジネスの功罪


今にはじまったことではないんだけど、電化製品の割安感ってすごい。しかも最近ではネットを使って全国規模で比較したあげくそれを持って○○電機とか△△カメラとかで交渉するとすごい値引きしてくれたりする。


そんな電化製品に不可欠な部品を供給しているのが、80年代日本の屋台骨とも言われた半導体業界。”産業のコメ”なんて言われていた。いまやその国内半導体業界は非常に厳しい状況だ。12月末の四半期決算を見ていて半導体会社の決算内容と大型電化製品量販店のそれの違いに驚いた。街中にあふれる家電量販店の勢いはそのまま決算に表れているし、業界変遷を余儀なくされている半導体部門は…。


アルチップで働き始めてその構造が良く見えてきた。


ひとつの電化製品をつくるため、複数のIDM垂直統合型の大手の半導体メーカーのこと IDM:Integrated Device Manifucturer)が値段のたたきあいをする。よせばいいのにコスト割れしてでもビジネスを取りに行く。よせばいいのに必要範囲外までサービスで対応する。そんなことをしているので、コスト割れしなければ出ない値段があらかじめ目標金額として設定されてしまっているのだ。


結局自社で大きな工場を持っていたのが原因となっている。工場を停めておくなら工場を動かしているほうがまだまし(儲けがなくてもいい)という考え方。これが国内に蔓延化・恒常化してしまっている。あたかもホテル経営をしていて、空き室にしておくのなら特別半額プライスですこしでもコスト補てんをはじめたら悪循環で正規料金がとれなくなったようなもの。


2008年2月13日
「NECエレがインドに本格参入,駐在員事務所開設し,WiproとはODC開設へ」

2008年2月18日
NECエレが国内従業員を対象に早期退職優遇制度、応募500人を想定



このようなNewsを矢継ぎばやにみせられると感慨深い。



結果、国内IDMは4-5社以上あったのが45nm以降で手を上げ続けられるのは2社ぐらいしか存在しない。今までのやり方はもう通用しなくなる時期はすぐ目の前にきている。