仕事開始

junkonno2007-08-18



今週からアルチップ・テクノロジーズ株式会社での勤務がはじまったが、記録的な猛暑が続く週がスタートとは皮肉なものだ。日本の商習慣よりもアメリカの商習慣に憧れて渡米し、Green Cardを取得するまでになったのに38度の中でネクタイしめてスーツを着込んで客周りとは。。。


暑さ対策を万全にして色々なグッズを買い込んだけどあまり出番がない。外は暑いが電車やオフィスが快適なためだろう。5月〜10月は「半そで短パンにサンダル」でなければ生きていけない私だが、意外と大丈夫なのでびっくり。早くもジャパニーズ・サラリーマンに順応しはじめているのだろうか(^^ゞ 


ところでアルチップという会社を一言でいうと、SoCターンキー屋さんです。  で、そのターンキー屋とは何?という話ですが、

ターンキー(Turn-key)とは言葉通り、買い手が「鍵をまわす」だけで利用できる状態に仕上げて引き渡す契約形態を指します

ということで元は建築業界から生まれた言葉であるそうです。(施主から要望を聞き建築し、家の鍵を渡すところまで仕上げて施主は鍵をまわして開けるだけ)


ただしチップとなるとさすがにそこまでEnd-to-Endではないほうが良いケースが多くて、というのも顧客が独自技術を重要視しているところがほとんどだから。  「とにかくきれいなテレビを作りたいから、いまよりも画質のよくなるチップを頂戴!」ではやはりだめ、「この設計図が画質がよくする方法なので、これで製品作ってよ!」といった風に独自技術が最低限必要と考えているところが多いです。うちが最新プロセス・最新テクノロジーに焦点を当てているということもあるのでしょうが。


そしてチップを作るうえでは設計図だけ良くても十分ではなく、Time-to-Market、歩留まり、消費電力など回路を組む上で共通した問題がたくさんあるわけで「そこはプロにまかせてください!」というのが我々の商売なわけです。


アルチップのメンバーは、世界中で一世風靡した某有名ゲーム機のレイアウトを手がけ、一発で量産チップを作り上げた伝説のチームメンバー達が創業した会社。SoCターンキー会社としては世界一のバックエンド技術を持っており、現在最先端プロセスである65nmでも実績があります。


日本企業の強みを発揮していくには、今まで通りの垂直統合型で”全部もっているからこそできる事”を推し進める方法はこれからも必要だと考えていますが、一方で業界再編とも言える製造工場統合を目的とした合併や専門性を追及する分業化の波は年々大きくなっています。だからこそ我々は世界最高峰の技術力を持ち備えたターンキー屋として、顧客の持つ優れた技術を実現化するお手伝いをすることにより、顧客にはその独自技術に磨きをかけてもらい、我々はチップ製造技術をさらに磨いて行きたいと考えています。 結果、よりよいものができたら楽しいですからね。