日本の半導体産業を憂う


弊社Alchipにとって、日本のIDMはコンペでもありお客でもある。 非常に微妙な関係だ。 私の日本の半導体観はほぼこの記事と同じ(補足したい内容はたくさんあるけど)。 遠くない将来、現在のIDMの数はかなり絞られる。(ちなみにLink先の内容は「Panasonicが三洋を買収検討」のNews発表前の内容)


多くの人に「ASICを提供できる会社は国内に何社残れる?」という質問を繰り返し問われる。 ケースとしては、最先端プロセスをASIC提供できる会社は0になる可能性も十分ある。 そうなるとどうなるのだろうか?


結論としては、日本のエレクトロニクス産業が衰退する可能性がある。 国内IDMは今まで、献身的なサポートと他国の追随を許さない低価格でASICを提供してきた。その費用対効果を考えると狂っていると言われるほど低価格で。 そのおかげで日本製品は低価格で高品質なものができた。 しかしながら結果、供給過多となり買い手市場時代に突入。 作り手よりも物流販売だけの人(ヤマダ電機ビックカメラなど)のほうが権力を持ち、儲かる構図ができた。


そして今、逆流現象が起こる最中、原料高沸の波で状況が変わりつつある。



さて、ここで国内IDMが淘汰されて今までどおりの超低価格・超高品質な部品が提供できなくなったらどうなるのだろう? あなたのデジカメも携帯も車もさまざまな電化製品が適正な価格(これまでよりも高くなる)に戻ると期待できる。  が、海外に目を向けたとき今まで通り日本製品の強みを保つ事ができるのだろうか? 非常に不安だ。


Alchipの立場的にはコンペとしてのIDMはとてもやっかいな存在。 だけど日本の将来を考えると単純に今の日本IDMがなくなると…。   であれば、Alchipのような企業が日本のIDMとかわらない”日本的な”献身的なサービスをできるかどうか、これがKeyになるのだろうけど、、、 うむーーーー 簡単ではないなぁ。